この記事では、韓国で力強く生きる人々の暮らし・価値観・お金との向き合い方にクローズアップしていきます。
物価高や先の見えない将来に不安を感じる今、韓国の若い世代が実践する“生活防衛術”は、日本に住む私たちにとっても学びが多いと感じています。
最低限のお金で豊かに暮らす人、苦境から這い上がって夢を叶えた人、自分らしい選択をした人ーーそんな実例から、私たち自身の暮らしのヒントを一緒に見つけていけたらと思います。
今回紹介するのは、韓国のYouTube動画「고등학교 졸업 후 9평 원룸에서 최저시급 받으며 2억 모아 아파트 산 비결」。
日本語に訳すと「高校卒業後、9坪のワンルームで最低賃金をもらいながら2億ウォン(約2,200万円)貯めてアパートを買った秘訣」。

笑顔が素敵なジヨンさん。「携帯代が110ウォン(約12円)ってどういうこと!?」とスタッフに驚かれる場面より
*引用:YouTubeチャンネル「나는 사장님(ナヌン サジャンニム)」
1999年生まれの곽지연(クァク・ジヨン)さんは、壮絶な家庭環境と最低賃金という不利なスタート地点から、6年かけて2億ウォン以上を貯め、自分のアパートを購入。その過程は、私たちが“節約”に対して抱くイメージを根底から覆します。
高卒・最低賃金スタートからの逆転劇
ジヨンさんの初任給は月141万ウォン(約15万円)。これは韓国の最低賃金で、3年間はその収入で生活していました。「このままでは何年働いてもお金は貯まらない」と気づいた彼女は、副業と節約に本気で取り組みます。
副業はホープ(居酒屋)での深夜アルバイトや、袋詰めの内職(ハムスターのエサの個別梱包など)。さらにアプリを使ったポイント稼ぎ、いわゆるポイ活にも精通し、中古ギフト券サイトや体験モニターなども活用。働き方・稼ぎ方を自ら広げていったのです。
「1年で食費8万ウォン」の徹底節約術
ジヨンさんの節約は、極限的でありながら無理がありません。
- 食費:年間8万ウォン(約1万円以下、月にして約800円)
- 服・美容費:アプリポイントで全て購入。0ウォンもあり
- 家具・雑貨:当金マーケットで無料入手
- 水道水を飲用。安全性は無料水質検査で確認済み
- スタバなどのカフェ:中古ギフト券サイト+アプリポイントでタダ
- 外食:ブロガー体験モニターで無料に
驚くのは、これでいて彼女が「ちゃんと食べてる」「おしゃれもしてる」こと。

アプリポイントや無料配布を活用して揃えたという、ジヨンさんのクローゼット。
「スタバも行くし、デザートも食べますよ」とジヨンさんは明るく話します。節約=我慢という先入観を覆す、ポジティブな姿勢が印象的です。
節約は「我慢」ではなく、「知恵と工夫」だという姿勢が伝わってきます。
「絶望」から始まった自己肯定感の積み上げ
ジヨンさんの節約は、単なる貯金テクではなく“生き方”でした。
家庭環境は厳しく、家庭内暴力、姉の喪失、母のアルコール依存など、壮絶な背景があります。高校卒業後、周囲の友人が大学へ進学する中、自分には何もない現実。

「大学を諦めた日、自分の人生は自分で責任を持って生きると決めた」
「友達は卒業祝いにバッグをもらってた。でも、私は“大学を諦める”って伝えることさえ、母に申し訳なくてできなかった」
そんな彼女が掲げた最初の目標は、「1億ウォン(約1100万円)を貯める」こと。
それは夢ではなく、“せめて普通に生きるためのライン”でした。
その強い決意が、彼女の人生を大きく動かしていくのです。
モチベーション維持のコツ
長期的に節約を続けるのは簡単ではありません。ジヨンさんが工夫していたのは以下の点:
- アプリや体験モニターなどの「楽しい稼ぎ方」を見つける
- 節約日記やブログで成果を可視化する
- 仲間と一緒にやる(LINEグループなどで月次報告)
- 日々の買い物をゲーム感覚で“お得に攻略”する
こうした「飽きずに楽しむ工夫」こそ、節約を継続させるカギです。
投資・アパート取得へステップアップ
節約だけでなく、彼女は着実にお金を“育てて”いきます。
- 定期積立(韓国版NISA、ISAなど)で堅実に資産運用
- 仮想通貨のエアドロップイベント活用(無リスクで資産を得る)
- 24歳で청약(チョンヤク)という韓国独自の住宅抽選に応募し一発当選
この時点で2億ウォン(約2200万円)を貯め、自分名義のアパートを取得。投資と節約のバランス感覚が際立っています。

部屋に貼られたポスターには、「30살 4억 자산가 도전!」(30歳で資産4億ウォンに挑戦!)と書かれています。2億ウォンの貯蓄を達成した今、彼女が次に掲げたのは、その倍の資産。
家族にも影響を与える変化
ジヨンさんの節約生活は、家族にも変化を与えました。
最初は「そんなにケチケチして何が楽しいの?」と否定的だった母親が、彼女の成功を目の当たりにし、自分も節約・アプリ活用を始め、ついには1億ウォンを達成。
書籍『돈에 관한 동기부여 이야기(お金に関するモチベーションの話)』も出版し、現在は節約コミュニティを主宰するなど、多くの人に影響を与えています。


「図書館にリクエストして、タダで読もう!」自身の本すら購入を勧めず、節約を勧めるジヨンさん(笑)
誰でもできる第一歩とは?
彼女が最初にやったのは、とにかく「使わない」ことでした。
- 月150万ウォン(約15万円)しか収入がないなら、それを最大限残す
- 実家にいた頃は「月10万ウォン(約1万円)生活」を実践
- 交通費も削って「歩く」ことで出費をゼロに

「水もタダで済ませたいなら、まずは水質チェック!」水道水を飲むにも、ちゃんと裏を取るジヨンさん。さすがです…
そして、そこから「副業・内職・アプリ」、さらには「資産運用」へとシフト。今できることから着実にステップアップしていく姿は、日本でも大いに参考になります。
おわりに:塵も積もれば、人生が変わる
ジヨンさんの話は、節約が「我慢」ではなく「未来をつくる選択」だということを教えてくれます。
最初は「コーヒー1杯を我慢したって、何が変わるの?」と思っていた。
でも、それが1億ウォンになった。
私は、「塵も積もれば山となる」を体現した人間です。
この言葉に象徴されるように、今日の選択が未来を変える。
今、目の前の100円をどう扱うかで、数年後のあなたの生活は大きく変わるかもしれません。

▼動画はこちら:
https://www.youtube.com/watch?v=TRJmyh6UPuU
あなたなら、どこから真似できそうですか?
「水を買うのをやめてみる」だけでも立派な第一歩です。
感想や、あなたの節約エピソードもぜひコメントで教えてください!
本記事で使用されている画像やキャプチャーは、YouTubeチャンネル「나는 사장님(ナヌン サジャンニム)」様から許可を得て使用しています。
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